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おすすめ本(和書)

古生物全般

特定の分野ではなく,古生物全般を楽しめるような書籍を紹介します。

古生物学事典 第2版

古生物関係に興味のある方にとって,必携とも言える事典です。2010年に刊行されたばかりで情報が新しく,いろいろと助けられています。1100項目に,131人の執筆者。その記述は専門家が書いているだけに,非常に充実しています。まさに「読む事典」。15,000円オーバーという,ちょっと高価に思えるかもしれない金額ですが,コストパフォーマンスは非常に高いといえます。おすすめです。

2010年刊行 15,750円

世界の化石遺産



エディアカラ,バージェス頁岩,スーム頁岩,フンスリュックスレート,ライニーチャート,メゾンクリーク,ボルツィア砂岩,ホルツマーデン頁岩,モリソン層,ゾンホーフェン石灰岩,サンタナ層とクラト層,グルーベ・メッセル,バルトのコハク,ランチョ・ラ・ブレア,と合計14の著名化石産地の情報がぎっちりと収録されてい1冊です。いずれも,「ラガシュテッテン」とよばれる,保存の良い化石の産地になります。この本の秀逸なのは,その内容の硬派な情報の充実度。産地ごとに地球史的な背景の説明から発見の歴史などがまとめられています。地図はもちろんのこと,地質柱状図も掲載されているという徹底ぶりです。世界各地の著名化石産地の背景を知る上で,手元に置いておきたい1冊です。

原著は2004年刊行。日本語版は2009年刊行で,定価は4900円+税。

古生態図集・海の無脊椎動物

海綿,古杯,刺胞……。いずれも重要ではあるものの,あまりスポットが当てられない無脊椎動物群。たとえば,古脊椎動物のフラグシップともいえる「恐竜」は,たいていの古生物図鑑に複数種掲載されています。しかし,こうした無脊椎動物に多くのページが割かれていることはなかなかありません。本書は,まさに思い切った一冊であるといえると思います。613ページ,厚さ4cmにおよぶ分厚い本がまるまる1冊,古無脊椎動物です。多くは著者自身による復元画で,これがすべていわゆる「線画」に近く,着色は一切ありません。しかし,実に味があります! 表紙になっているように,代表的な古無脊椎動物である三葉虫や,ウミサソリ,そしてカンブリアの動物たちにもページが割かれています。刊行からいささか年月がたっていますので,古い情報もあるにはあるのですが,ページをめくるだけでもうきうきしてくる本です。古生物の復元画を描くみなさんにも,良い資料になるのではないかと思います。

1996年刊行。8,925円。


移行化石の発見

著者は,気鋭のサイエンスライター,ブライアン・スウィークテク。その著者が本書でいう「移行化石」とは,ずばり「進化のミッシングリンク」を埋める化石たちです。本書の冒頭部分3章は,進化論に関する話題が中心。本書の見所は,そのうしろ。「四肢動物」,「鳥類」,「哺乳類の祖先」,「クジラ」,「ゾウ」,「ウマ」などが各章のテーマとなり,古生物学史を織り交ぜながら話が展開します。このうち,いくつかは聞いたことがある話もあるかもしれません(実際,私もNewtonで書いています)。そういう話は読み飛ばしても大丈夫(笑)。しかし原著が2010年の刊行と最近です。比較的新しい知識がつまっています。ですから,知識の再確認と更新のためには,ぜひ一通り(読み飛ばさずに),読んでみることをおすすめします。ちょっとだけ残念なところは誤植や,もう少し意味を考えて訳してほしかったと思われるところがいくつかあるところですね。

原著は,2010年刊行。日本語版は,2011年4月刊行。2,200円。

ゾルンホーフェン化石図譜

著名化石産地、「ゾルンホーフェン」の化石資料集。1と2の2巻構成です。1巻は植物と、何よりも無脊椎動物が中心。カブトガニ類やエビ類をはじめ、昆虫等の美麗な標本がぎっしりと収録されています。2巻は脊椎動物で、魚類、魚竜類、そしてもちろん始祖鳥など。「ゾルンホーフェンといえば、始祖鳥でしょ」ということで、2巻にばかり眼がいきそうですが、1巻の標本のそろい踏みもなかなかのものです。本書の特徴は、15の博物館で公開されている標本はもとより、40の個人コレクションが収録されている点です。これによって、実に包括的な内容を実現しています。その標本のクオリティは「圧巻」という言葉が相応しく、思わず魅入ってしまうことでしょう。簡単な解説が併記されており、しかも学名にはカタカナ表記とラテン文字が両方ともあるというこだわりです。プロも楽しめると思いますが、より「一般向け」を意識してつくられた「化石図譜」であるといえます。

原著は、1994年と1999年の刊行。日本語版は,2007年5月と7月の刊行。1巻が14,000円、2巻が12,000円(税別)

NEW 「生物ミステリー PRO」シリーズ

当オフィス代表 土屋 健の執筆本で、その代表作です。総監修は、群馬県立自然史博物館。2013年にはじまった、技術評論社による古生物ファン向けのシリーズで、一定の地質時代ごとに情報を集約していくというもの。裏シリーズ名は「古生物ミステリーシリーズ」。「古生物の黒い本」とも呼ばれているので、私自身もそれを通称としています。関係各所、国内外の研究者、収集家などの協力を得ながら、標本画像を多数掲載し、プロイラストレーターによるイラストも惜しみなく投入。ビジュアルで楽しめる1冊と位置づけです。もちろん、執筆者としては、テキストも楽しんで頂けると嬉しいです。技術評論社の「10年はもたせる。書棚にそろえておきたいと思う本」コンセプトのもと、紙はかなり上質。糸がかり製本という丈夫さに加え、今時珍しい、スピンもついています。その他、随所に、スタッフの良い意味での「悪ノリ」が反映されています。従来からの古生物ファンのみなさんはもとより、この本をきっかけにさらに古生物ファンが増えてくれれば、著者としてこれにまさる喜びはありません。

第1期である『エディアカラ紀・カンブリア紀の生物』『オルドビス紀・シルル紀の生物』は、2013年11月刊行。第2期の『デボン紀の生物』『石炭紀・ペルム紀の生物』は、2014年7月刊行。第3期の『三畳紀の生物』『ジュラ紀の生物』は、2015年6月、『白亜紀の生物』の上下巻は、2015年8月に刊行。2016年夏には続刊を刊行予定。

カンブリアもの

バージェス頁岩動物群や,澄江動物群の資料となり得る一般書籍を紹介します。

バージェス頁岩化石図譜

原著の刊行から20年近く経過していますが,未だ一般に入手できる唯一のバージェス頁岩動物群の網羅的図録です。この間に新種が発見されたり,研究の進展によって復元像が変化したりしていますが,それでも本書ほどバージェス頁岩動物群についての情報がまとまっている書籍はありません。内容は研究史やバージェスの地質概要にはじまって,85属の詳細な資料となっています。図版の標本は当然のことながら一級品。刊行から年月は経ちましたが,古生物ファンならば,手元に置いておきたい1冊であることにかわりはありません。

2003年9月刊行 5670円。原著は1994年の刊行。

澄江生物群化石図譜

今やバージェス頁岩と双璧をなすカンブリア生物の産地,中国・澄江(チェンジャン)。こちらも原著の刊行から10年近い歳月が経過しており,情報の更新が必要な場所は少なくありません。それでも,現状,日本語で手に入る唯一の澄江生物群の資料集です。内容はバージェス頁岩化石図譜とよく似たつくりで,研究史,地質概要にはじまって計96種の図版と解説から構成されます。澄江生物群の資料としては,中国語で数冊の図譜が出ていますが,何といっても本書は日本語で読むことができるのがありがたい。ちなみに,各学名には中国語名(たとえば,Anomalocaris saron は「帚刺奇蝦虫」)が併記されており,なかなか興味深いものがあります。バージェス頁岩化石図譜とあわせて持っていたい1冊です。

2008年3月刊行 9975円。原著は2004年の刊行。

ワンダフル・ライフ

バージェス頁岩動物群や,カンブリアの動物たち全般を語る上で,まずは必読ともいえる1冊。原著そのものは1989年の刊行なので,情報そのものについては更新が必要な点も多いのですが,それでも「はじまりの1冊」としてははずせません。この本の見所はいくつかもありますが,あえてあげるとすれば次の3点です。一つは,古生物学者ウォルコットによる,バージェス頁岩動物群の発見物語がまとめられているという点。二つ目は,ぺしゃんこになって保存されていた化石から,どうやって3次元的な姿を復元していったのかがまとめられている点。三つ目はこの本の最大の見所といえる,各動物について,その形態,分類をめぐる議論などがまとめられている点です。古生物ファンであれば,手元に置いておきたい1冊といえると思います。

原著は1989年の刊行。上に書影画像をあげている文庫版は2000年3月刊行で1,113円。ちなみにハードカバー版は1993年刊行で絶版。

カンブリア紀の怪物たち

バージェス頁岩動物群や,カンブリアの動物たち全般を語る上で,『ワンダフル・ライフ』と並んで必読といえる1冊。1997年の刊行なので,『ワンダフル・ライフ』よりは情報は新しいものの,それでも更新が必要な点もあります。しかし,『ワンダフル・ライフ』を読んだのなら,本書はやはりおさえておくことをおすすめします。カンブリア紀の動物たちについて,グールドの考えを真っ向から否定する論調もオモシロいのですが,本書の見所は,ハルキゲニアとアノマロカリスの復元に関するくだり。著者サイモン・コンウェイ・モリスは,その復元チームの一員で,どのような議論が進められていったのかが,当事者の視点で語られています。また,タイムマシーンにのってカンブリア紀に訪れた気持ちになっての各動物の紹介は秀逸です。そして,バージェスに限らず,ほかの産地について言及されているところも興味深いといえるでしょう。

1997年3月刊行 987円。

眼の誕生

「カンブリア爆発はなぜおきたのか? 」 生命史における,この大きな謎に「眼の誕生」というキーワードでせまっていく1冊です。カンブリア爆発が紹介され,その謎が提示され,そして,その謎解きに向かって一つずつ外堀から埋めていきます。それはさながら推理小説の用で,ワクワク・ドキドキ感をもってページをめくっていくことができるでしょう。そして,推理小説のような味があるので,ここでは細かい内容をいつも以上に書くことはできません^^;。バージェス,澄江,オルステンにエディアカラ! さまざまな産地の化石を具体的にとりあげながら,「爆発の真相」に向かって突き進んでいきます。カンブリア爆発に興味のある方は,必読の書です。

著は2003年刊行。邦訳版は,2006年2月刊行 2,310円。

エディアカラ紀・カンブリア紀の生き物

当オフィス代表 土屋 健の著作で、技術評論社の「生物ミステリーPRO」シリーズの1冊(第1巻)。執筆時点でのエディアカラ紀とカンブリア紀の最新情報をまとめ、さらにこれでもか、という数の標本画像を集め、掲載しました。グールドの『ワンダフル・ライフ』から24年。カンブリア爆発の研究はどこまで進んだのか。爆発の実態はどこまでわかってきたのか。えるしま さく氏のカラフルなイラストとともに綴ります。

2013年11月刊行 2,680円。

脊椎動物

絶滅した各種脊椎動物に関する和書を紹介します。

NEW フタバスズキリュウ発掘物語

日本を代表する脊椎動物化石、「フタバスズキリュウ(学名:Futabasaurus suzukii)。その発見から発掘、そして命名に至るまでの、関係研究者の手による“実録発掘物語”です。
1通の手紙で始まる現地調査から、予算などを苦慮しての発掘譚、そして命名をめぐる議論など、そのすべてにまさに関わってきた著者だからこそ語ることのできる記録となっています。実に生々しく、楽しめる1冊です。

2008年刊行。1512円。

新版 絶滅哺乳類図鑑

とにかく古生物としての哺乳類を探していたら,まず開くべき1冊が本書です。哺乳類の祖先である盤竜類からはじまって,有袋類,霊長類,真獣類などの有名どころはもとより,恐角類,クジラ類,束柱類,火獣類まで幅広く網羅。各章には扉にその章で登場する動物のバックボーンが書かれており,ここを読むだけでもたいへん勉強になります。各種の説明は,学名,分類,時代,分布,大きさと解説で構成されており,これがまた詳細。イラスト,写真も多く,何をなすにも,こと哺乳類に関しては「必携」といえる仕上がりになっています。12,000円オーバーという価格に尻込みされるかもしれませんが,その価値は十分にある本です。

2011年刊行。12,600円。

世界恐竜発見史

恐竜の研究史。実はそれがまとめられた一般書は数少ないもの。恐竜そのもののデータについては,子供向けの図鑑でもかなりの情報が盛りこまれているものも少なくないのですが,さあ,その研究史となるといっきに数は減ります。本書は,そんな研究史をまとめたものです。原著は2009年に刊行されたものですので,本書には恐竜の発見から2009年までの主要な恐竜研究がまとめられているといえます。基本的な構成は,年表に主要恐竜の報告年代がまとめられているページ(これがありがたい)と,著者が選び出した恐竜についてのくわしい発見史,研究史のページの組み合わせ,となっています。詳細ページは,さすがの情報量です。図版は,すでに発行されている図鑑などから流用されているものが多く,恐竜好きの方であれば,「どこかで見たことがある」ものがほとんどかもしれません。しかし,それが実に上手に配置されており,編集者の腕を感じさせます。見習いたいものです。約200年にわたる恐竜研究を概観するのにうってつけの1冊といえるでしょう。

2010年刊行。4,980円。

人類の進化 大図鑑

とかく混乱しそうなぐらいさまざまな種が入り乱れる「人類の系譜」ですが,本書ではそれがよくまとめられています。各種に対して,簡単な発見史,特徴,代表的な標本。基礎データベースには,学名の意味に生息場所,年代,どの程度の化石記録が残されているかが掲載されています。本書でとくに秀逸なのは,表紙にも使われている「復元モデル」。これが極めて(不気味なくらい?)よくつくられており,しかも種の説明の前を中心に見開きで掲載されています。じっくりと眺めていると,夢に出そうなくらいリアル(精巧)です。ちなみに,表紙で一番右にいるのは,ネアンデルタール人のおじいさまです。118ページにおよぶ「人類」の章では,「サヘロントロプス(Sahelanthropus)」から,「ホモ・サピエンス(Homo sapiens)」まで合計23種収録。本書の中核を担います(※ただし、本書の分類が学界のコンセンサスを得ているわけではないようなので、その点はご注意を)。ほかにも,「出アフリカ」を軸とした人類の拡散に関する情報や,狩猟者から農民へと移り変わっていった文明の初期史などもまとめられており,まさに700万年間という時間をビジュアルで感じることができます。普段は,1000万年オーダーに思いを馳せている方こそ,本書は読んで頂くと楽しいでしょう。

無脊椎動物

絶滅した各種無脊椎動物に関する和書を紹介します。

アンモナイト学

タイトルが示すように,アンモナイトを学問としてとらえた際の教科書のような位置づけの1冊です。化石に興味をもって,アンモナイトという存在を知って,そしてアンモナイトを知ろうと思ったときにページを開く。そんなタイミングに相応しい本であるといえます。全体の3分の1はカラー図版という,なかなか贅沢なつくりとなっています。テキスト部分は約100ページ,5章の構成。このうち,アンモナイトの語源や特徴,定義,進化史に言及した第1章と,アンモナイトの成長様式などに注目した第2章は,まさに教科書。体系的によくまとめられています。

2001年刊行。2,100円。

アンモナイトと三葉虫

当オフィスが編集協力しました



子供の科学の「サイエンス ブックス」シリーズです。当オフィスも編集協力しました。このシリーズは,図書館などで子供が開くことを想定したしっかりとしたつくりになっています。内容は,“アンモナイトの博物館”として知られる三笠市立博物館所蔵標本と,当オフィス協力によるアンモナイトと三葉虫の図録集。迫力のアングルで,さまざまな標本が収録されています。子供だけではなく,大人も楽しめる1冊です。ぜひ,親子でページをめくってみてください。

2012年刊行。2,310円。



地質学や古生物学の楽しさを伝えたい
そんな活動を行っています
代表 土屋 健
サイエンスライター




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